金陽社・熱伝導パテシート
概要
(株)金陽社が長年蓄積したゴム配合、フィラー分散の技術を最大限に生かし、ノンシリコーン系材料をベースとして開発した「熱伝導パテシート」です。
自動車の電装化、スマートフォンの普及・高速通信技術「5G」への移行・生成AIの誕生による情報通信量の増加に伴い、電子機器の小型化、高性能化、高集積化が進んでいます。一方で、電子部品素子の発熱量も増大しており、効率よく放熱経路を確保するため熱伝導性材料(Thermal Interface Material:TIM)による放熱対策が急務となっています。
特徴
- ノンシリコーン材料
シロキサンに起因する電気接点障害やガラス曇りなどの心配がありません。 - 硬化処理不要
硬化反応が完了しているため実装後すぐに次工程へ流すことができ、工数の短縮が可能です。 - 凹凸追従性
柔軟性に優れ深い凹凸や複雑な形状にも追従するため、筐体やヒートシンクと熱源の隙間を埋め、放熱性能を向上させます。 - 反力軽減
実装・組込後の応力緩和が大きく、筐体や基板部品へのストレスを大幅に軽減します。 - 低ブリード
オイルブリードを大幅に低減させており、汚染リスクを低減します。
凹凸追従性
柔軟性を有しているため、細かな段差から深い凹凸まで追従して隙間を埋めることができます。
※実際の製品色はグレーです。
反力軽減
実装後の応力緩和が大きいため、部品負荷を軽減して信頼性を向上させます。
低ブリード
オイルブリードが少なく、オイル成分による周辺電子機器の汚染リスクを低減します。
[評価方法]
- 準備:直径28mmの放熱シートをろ紙とともに約15%圧縮し、100℃オーブン内へ24時間静置
- 評価:治具開放後、ろ紙に付着したオイル成分のブリード径と放熱シートの重量を測定
結果
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ブリード [mm] |
重量減少率 [%] |
|
本製品 | 30 | 0.22 |
シリコーン品 | 32 | 0.50 |
構成
ブリード比較
他TIM材との性能比較
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熱伝導パテシート (本製品) |
シート | ギャップフィラー | |
作業性 | ◎ | ◎ | × |
凹凸追従 | ◎ | △ | ◎ |
熱抵抗 | ◎ | △ | ◎ |
物性表
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項目 | 単位 | 測定方法 | 製品名 | ||
AAP10 | GAP20 | GAP40 | |||
色 | ‐ | ‐ | グレー | グレー | グレー |
比重 | - | ‐ | 2.6 | 2.7 | 2.7 |
硬度 | ° | Asker C | 15 | 29 | 47 |
熱伝導率 | W/m・K | 周期加熱法 | 3.0 | 3.5 | 3.5 |
絶縁破壊電圧 | kV/mm | JIS C2110(厚さ1mm時) | 18 | 18 | 18 |
体積抵抗率 | Ω・cm | JIS K6249 | 1×1012 | 1×1012 | 1×1012 |
推奨使用温度 | ℃ | ‐ | -40~120 | -40~120 | -40~120 |
難燃性 | - | UL94 | V-0相当 | V-0相当 | V-0相当 |
※上記データは測定値であり、保証値ではありません。
形状
熱伝導パテシートはシート形状で貼付作業性に優れ、液状製品が得意とする凹凸追従性に優れた熱伝導材料です。
粘土状にこねることで、複雑形状への貼り付けも可能です。
構成
- 原反寸法は200mm×400mmです。
- 希望寸法に加工したご提供も可能です。
- 厚みは1~6tの間で0.5刻みで選択ください。
- 両面の離型フィルムを剥がしてからご使用ください。
想定用途
- 民生用電源
- DC/DCコンバータ
- 産業用インバータ
- リチウムイオン電池
- 車載部品(インバータ、LEDランプ)
- 通信サーバー