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ラッカー試験とは? インキ・塗料用途における顔料評価と色見本作成の流れ

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ラッカー試験とは? インキ・塗料用途における顔料評価と色見本作成の流れ

当社の化成品研究室では、仕入れた顔料の一部に関して販売前にラッカー試験を実施し、色見本および測色データをお客さまへ提供しています。
これにより、実際の使用環境に近い条件での色味や性能の確認が可能となります。
なお、ロール試験が樹脂用途における評価に適しているのに対し、ラッカー試験はインキ・塗料用途に近い条件での評価に適しています。
この記事では、ラッカー試験の概要から具体的な工程、評価方法までをわかりやすく解説します。

1. ラッカー試験の概要

ラッカー試験とは、顔料をラッカー樹脂系のバインダーに分散させ専用紙に展色することで、試料のもつ色味、着色力、隠ぺい力などを評価する試験方法です。主にインキや塗料用途の無機顔料に対して実施され、見本品と試料の色差を確認する目的で用いられます。

2. 試験機:フーバーマラーとは

ラッカー試験にはフーバーマラーを使用します。フーバーマラーとは、顔料や試料をビヒクルと練り合わせ、分散状態を評価するための試験機です。
上下2枚のすりガラス製の円盤を有し、下部の円盤のみが回転する構造を持っています。2枚の円盤に試料を挟み込み、規定の荷重・回転を加えることで試料がすり混ざり分散ペーストが得られます(JIS K 5101)。試料はあらかじめ湿潤させる必要があり、粘度の高いビヒクルがフーバーマラーには向いています。
フーバーマラーを使用し試験することで、それぞれの分散ペーストを同条件で作成することができます。

フーバーマラー

3. ラッカー試験の工程

分散ペーストの作成:顔料+ビヒクル

規定量の顔料にビヒクルを加え、分散体を得るための前処理を行います。フーバーマラーの練り板上で顔料とビヒクルをヘラで粗練りして顔料を湿潤、凝集解砕させたのちに、フーバーマラーを起動させて顔料の分散ペーストを作成します。

手練り後 分散ペースト1 分散ペースト2

分散体の作成:分散ペースト+バインダー

得られた分散ペーストにバインダーとなるラッカー樹脂を加えてかくはんすることで、分散体が完成します。上記の手順で見本品と試験品それぞれの分散体を作成します。また、通常は白色顔料(酸化チタン)を添加した淡色の分散体も同手順で作成し、色の出方を比較できるようにします。そのため、1度の試験で①濃色見本品、②濃色試験品、③淡色見本品、④淡色試験品の分散体が必要になります。

かくはん前 かくはん後

展色工程:アート紙への塗布

作成した分散体をアート紙(JIS P 3105)へ展色します。見本品と試験品を同一紙面上に並べ、フィルムアプリケーターを用いて隣接するように塗布することで、比較しやすい展色紙に仕上げます。

アート紙へ展色中 アート紙へ展色後

隠ぺい力の評価

白色紙への展色のみでなく、白色部と黒色部を有する白黒試験紙に展色し、隠ぺい力(透明度)の評価を行う場合もございます。白色面と黒色面の明度差が小さいほど、下地を隠す性能(隠ぺい力)が高いと判断されます。この評価は、下地隠ぺい性が求められる場面などにおいて重要な指標となります。

白黒試験紙へ展色中 白黒試験紙へ展色後

色見本の作成

展色紙は、塗膜を常温で充分に乾燥させた後に規定サイズにカットします。カットした展色紙を台紙に貼付して、色見本の完成です。

色見本

4. 評価方法(目視・測色)

完成した色見本は、以下の方法で評価を行います。

目視評価

見本品と試験品を比較し、明度・彩度・色相・隠ぺい力などを総合的に確認します。

測色評価

以前のコラム「化成品研究室でできること【色差計での品質確認試験】」でもご紹介した、色差計を用いた定量評価も実施しています。
色差計
測定では、L* a* b*色空間に基づき、主に以下の値を取得します。

  • 明度 暗⇔明(L*)
  • 彩度、色相 緑⇔赤(a*)
  • 彩度、色相 青⇔黄(b*)

さらに、基準色との差として以下を算出します。

  • ΔL*、Δa*、Δb*(見本品の値との差)
  • ΔE*ab(総合的な色差評価の値)

Δ値は値が小さいほど、見本品と試験品の色差は少ないです。先ほどのシート色見本に測色データを添えて、ラッカー試験完了です。

5. ラッカー試験でわかること

ラッカー試験を実施することで、以下のような評価が可能です。

  • 顔料の分散性の良否
  • 発色および色相の違い
  • 着色力の比較
  • 隠ぺい力(下地隠ぺい力)の評価
  • 見本品との色差
  • ロット間のばらつき

これらの評価結果は、材料選定や代替品検討、品質確認における判断指標として活用いただけます。

6.当社のラッカー試験の特長

当社のラッカー試験には以下の特長があります。

  • 見本品と試料を同一条件で比較可能
  • 濃色・淡色の2条件で評価
  • 隠ぺい力の評価に対応
  • 色見本の現物提供が可能
  • 測色データ(ΔE*abなど)の提出に対応

これにより、定性的・定量的の両面から評価結果をご確認いただけます。評価目的に応じた試験条件の調整にも対応しています。

7. まとめ

ラッカー試験は、顔料をラッカー樹脂系バインダーに分散し展色することで、主にインキ・塗料用途に近い条件での明度・彩度・色相・隠ぺい力を評価できる試験方法です。また当社ではインキ・塗料用途のみならず、コンクリート着色や建材向けなどの無機顔料や一部の有機顔料に対して実施することもある、汎用性の高い試験です。見本品との比較による視覚的評価に加え、測色データを組み合わせた定量評価にも対応しており、実務における材料選定や品質確認にご活用いただけます。
※化成品研究室のサービスは当社取扱製品をご購入いただいた方のみを対象としております。
ラッカー試験による評価実績のある顔料製品については、下記ページよりご覧いただけます。

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