カラーコンクリートのある風景:第5回・住の景観
コンクリートに無機顔料を直接練り込んで着色した「カラーコンクリート」は周辺の風景に溶け込んだ『景観性』をつくり、またコンクリートの機能はそのままに『デザイン性』を表現できます。
専門誌「土木技術」2020年11月号特集:「いろと土木」に掲載された記事をもとに、テーマに応じた事例を挙げながら、全5回にわたって「カラーコンクリート」をご紹介します。
専門誌「土木技術」2020年11月号特集:「いろと土木」に掲載された記事をもとに、テーマに応じた事例を挙げながら、全5回にわたって「カラーコンクリート」をご紹介します。
第5回・住の景観
最近では手軽に「カラーコンクリート」にできるメリットから、土間コンクリートや外構コンクリートなどの構造物以外でも用途が拡大しています。トータルデザイン的な設計が浸透すれば他の素材と組み合わせて新たな機能を付加でき、コンクリートの新たな用途への広がりも期待できます。この「道の駅」は地元の杉の集成材を用いた建物と土壁が調和するデザインが特長ですが、さらに外構に地域色を採り入れ、何色かの無機顔料を配合して独自の『いろ』を造りだした「カラーコンクリート」で床面を施工しました。建物に目が行きがちですが、外構部も塗りタイプと違った質感を出すためにこだわり、トータルデザインを大事にしています。
空港ターミナルのバスレーンでは耐久性のあるコンクリート舗装が採用され、白さを抑えるため、黒色顔料を使って隣接する車道のアスファルト舗装の色に近づけた事例があります。10年以上経っても色上りや耐久性は施工当時の状態が続いています。
温泉街にある川沿いの遊歩道は明るい赤色の「カラーコンクリート」舗装で仕上がっています。耐久性があり、平滑性など、コンクリートが持つ特性をうまく取り入れながら、存在感のある風景になっています。
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