カラーコンクリート採用事例:GALLERIA MIDOBARU(ガレリア御堂原)
GALLERIA MIDOBARU(ガレリア御堂原)
- 設計:DABURA.m株式会社
- 施工:森田建設株式会社
- 施工期間:2019年7月~2020年12月
- 使用色:バイフェロックス赤茶系
- 2021年度グッドデザイン賞 / グッドデザイン・ベスト100(日本)
- ABB LEAF Awards / Best Hospitality Building Project Shortlist(欧州拠点の国際的建築賞)
- DFA Design For Asia Awards / Silver Award(香港拠点の国際的デザイン賞)
- Good Design Australia / Winner(オーストラリア拠点の国際的デザイン賞)
- 日本空間デザイン賞 / Longlist(日本)
- KMEW DESIGN AWARD /九州エリア賞(日本)
別府に新たな存在感のあるアートホテル
「GALLERIA MIDOBARU(ガレリア御堂原)」は大分県の別府湾を一望できる高台にそびえ立つ、新しいコンセプトのホテルです。この物件が立地している堀田温泉は別府八湯のひとつであり、江戸時代に開かれて交通の要衝に発展した歴史的温泉場ですが、現在ではそれを感じさせるような建築物はなく、唯一この場所を印象づける要素は別府という温泉地の起源ともいえる「断層崖地形」でした。そこで、この独特の地形と向き合うところから設計がスタートされました。
建物全体に採用された赤茶色のカラーコンクリートは、無機顔料で着色されています。酸化鉄を主成分とする無機顔料は太古から脈々と受け継がれ、それ自体は退色しない成分です。人工的な素材としてのイメージが強いコンクリートも、もとは自然の材料であり、赤茶色に着色することでナチュラルな側面が引き出され、土塊のような表情を持った特性が生かされています。
型枠には通常のコンパネ(合成型枠)ではなく、地元大分産の特製杉板型枠(まく板型枠)が使用されました。開発段階から地元産にこだわったために独自の苦労があり、創意工夫のなかでコンクリート打設が行われ、打設後に発生するコンクリート特有の白華現象や色ムラも「景色」として受け入れられています。こうして、設計コンセプトのひとつである「断層崖に連続する『削り出された大地』としての壁の群れ」が表現されています。
物件写真:©︎Nacása & partners Inc
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