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ロール試験とは? 樹脂用顔料の評価方法と色見本作成の流れ

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ロール試験とは? 樹脂用顔料の評価方法と色見本作成の流れ

当社の化成品研究室では、仕入れた顔料の一部について販売前にロール試験を実施し、色見本および測色データをお客さまへ提供しています。
これにより、実際の使用環境に近い条件での色味や品質の確認が可能となります。
なお、ラッカー試験がインキ・塗料用途に近い条件での評価に適しているのに対し、ロール試験は樹脂用途における評価に適しています。

この記事では、ロール試験の概要から具体的な工程、評価方法までをわかりやすく解説します。

1. ロール試験の概要

ロール試験とは、顔料を樹脂に分散させた際の着色力を評価するために行います。試験品および見本品顔料を樹脂シートに加工したものを、見比べて色差を確認する試験方法です。当社では主に無機顔料に対して実施しています。

2. 加工機:2本ロール機とは

ロール試験には、「2本ロール機」を使用します。
2本ロール機とは、樹脂材料を2本のロールで練り合わせ、シート状に加工するとともに、混練状態の確認にも用いられる加工機です。加熱機能を備えた前後2本の金属ロールが内側に向かって異なる速度で回転する構造を持ち、試料がロール間を通過するたびにせん断力が加わります。これにより、材料を均一に分散させることができます。
また、混練と同時に脱泡効果も得られるため、気泡のない滑らかな樹脂シートの作成が可能です。

3. ロール試験の工程

試料の準備(樹脂+顔料)

あらかじめ規定量の顔料と樹脂粉末を混合した試料を用意します。

ロール練り工程

予熱した2本のロール間に試料を投入し、巻き込みながら混練します。加熱により軟化した樹脂に顔料が均一に分散されるように練り上げていきます。長時間練り続けてしまうと樹脂が変色を起こしてしまうため、混錬作業は所定の手順をきちんと守って練り上げます。

試料付着1 試料付着2 練り工程

シートの取り出し

充分に混錬された試料をロールに巻き付け、切り込みを入れてロールからはがし取ります。
シート取り出し

同じ手順で見本品と試験品の樹脂シートを1枚ずつ作成します。
また、通常は濃色シートと、白色を加えた淡色シートの2パターンを作成します。そのため、1度の試験で①濃色見本品、②濃色試験品、③淡色見本品、④淡色試験品の樹脂シートが必要になります。

プレス工程

シートをすべて作り終えたら、次にプレス工程に進みます。ロール機から取り出したシートをそれぞれ規定サイズにカットし、見本品と試験品を隣り合わせに配置します。ほこりなどの異物が表面に付着していないか確認し、熱プレス機を用いて1枚のシートに溶着します。

カット プレス機へセット
プレス機へセット2 プレス後

 

色見本の作成

熱プレスをかけたシートを最終サイズにカットし、台紙に貼付します。これで色見本の完成です。用途に応じて、透過性評価用として通常より薄い0.2~0.3mm厚の樹脂シートを作成する場合もあります。
色見本

4. 評価方法(目視・測色)

完成した色見本は、以下の方法で評価を行います。

目視評価

見本品と試験品を見比べて、明度・彩度・色相などを総合的に確認します。

測色評価

以前のコラム「化成品研究室でできること【色差計での品質確認試験】」でもご紹介した、色差計を用いた定量評価も実施しています。
色差計
測定では、L* a* b*色空間に基づき、主に以下の値を取得します。

  • 明度 暗⇔明(L*)
  • 彩度、色相 緑⇔赤(a*)
  • 彩度、色相 青⇔黄(b*)

あわせて、見本品と色の差として以下の値も取得します。

  • ΔL*、Δa*、Δb*(それぞれの見本品の値との差)
  • ΔE*ab(総合的な色差評価の値)

Δ値は値が小さいほど、見本品と試験品の色差は少ないです。先ほどのシート見本に測色データを添えて、ロール試験完了です。
測色データ

5. ロール試験でわかること

ロール試験を実施することで、以下のような評価が可能です。

  • ロット間の色ブレ
  • 見本品との色差
  • 加工時の再現性

これらの評価により、採用前の品質確認や代替品検討の判断材料として活用いただけます。

6. 当社のロール試験の特長

当社のロール試験には以下の特長があります。

  • 見本品と試料を同一条件で比較可能
  • 濃色・淡色の2条件で評価
  • 色見本の現物提供が可能
  • 測色データ(ΔE*abなど)の提出に対応
  • 用途に応じたシート厚みの調整(薄膜対応)

これにより、定性的・定量的の両面から評価結果をご確認いただけます。評価目的に応じた試験条件の調整にも対応しています。

7. まとめ

ロール試験は、樹脂用顔料の分散性や発色、色差を実際の加工条件に近い形で評価できる有効な試験手法です。
当社では、色見本と測色データを組み合わせた評価結果を提供することで、お客さまの材料選定や品質確認に貢献しています。
※化成品研究室のサービスは当社取扱製品をご購入いただいた方のみを対象としています。
ロール試験による評価実績のある顔料製品については、下記よりご覧いただけます。

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